ゴリパラ効果で福岡ローカル局の中で存在感が増しているTNCテレビ西日本。
そんなTNCが自局の番組を自己分析、反省する番組「月刊TNC批評」をまとめていこうと思います。
日曜の朝6時半から放送されている「月刊TNC批評」。一体、誰が観てるんだこんな番組…と思われるかもしれませんが、ゴリパラやゴリパラ、そしてゴリパラ(ゴリパラしかねえな…)の裏方さんや局が番組にどんな視線を向けているのか伺い知ることができる貴重な内容になっているので、ローカル番組ファンの方は一度観てみるといいですよ。
今回は2019年4月7日分のまとめとなります。

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今回は2019年2月24日に放送されたテレビ西日本開局60周年番組「ニッポンわが町うどんMAP」についてテレビ西日本の番組審議会の声をもとに、番組のディレクター大野由美子さんに番組の企画意図と反省を聞きます。

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この「ニッポンわが町うどんMAP」はもともとテレ西の朝の情報ワイド番組「ももち浜ストア」水曜日のワンコーナー「うどんMAP」をグレードアップ、全国向けに制作された番組です。

「うどんMAP」は福岡県内のうどんをひたすら食べ歩く岡澤アキラの食べっぷりと番組のテンポの良さがウケて、只今人気急上昇中。ゴリパラ見聞録の次はうどんMAPだ、とも言われており期待されています。

大野由美子ディレクターは企画意図をこう説明します。
「福岡県民の皆さんにうどんが愛されているところと、コーナー自体が非常に愛されているということで、全国の皆さんにも楽しんで頂けるのではないかと思い企画しました」

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津野瀬アナ
「番組の簡単な内容を教えてください」

大野由美子ディレクター
「ニッポンわが町うどんMAPというタイトルどおり、日本全国のうどんを紹介する番組です。ただ紹介するだけでは面白くないので、クイズ形式にしたり色んな問題を取り上げたりと演出方法を色々変えて番組を構成しております」

津野瀬アナ
「では、ここで番組の一部をご覧いただきます」

ここで番組の一部を振り返ります。

「ニッポンわが町うどんMAP」は日本全国のうどんを紹介する番組です。司会は華丸大吉のふたり。パネラーは井森美幸、宮川大輔、前園真聖、そしてうどんライターの井上こん氏。
基本的な構成は以上のパネラーがうどんを紹介するVTRを観ながらリアクションをワイプで抜く今風のバラエティ形式です。
ナレーターは服部潤氏。キー局の番組でよく聞く声です。メジャーどころのナレーターを使うだけで番組の雰囲気にキー局感が増しますねw
どんな声か気になった方はこちらのサンプル音声をお聞きください。
私はレギュラーのうどんMAPの大ファンなので、全国向けにリメイクされることにより、オリジナルの良さが損なわれるのではないか?何よりうどんMAPの魅力の大部分を占める岡澤アキラさんを蔑ろにしてうどんMAPが成立するのか、放送前は不安で仕方なかったです。
ですが、不安は杞憂でした。番組は非常に良い出来だったと思います。
日本全国のバラエティ豊かなうどんを知ることができましたし、オリジナルレギュラーの岡澤アキラ氏がふだん歩きまわっている福岡を飛び出しイギリス・ロンドンでロケを行っている姿を観ることが出来ました。
オリジナルファンへのリスペクトを感じることが出来て大満足です。

番組の一部紹介が終わり、再びスタジオです。
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津野瀬アナ
「この番組のみどころはどんなところでしょうか?」

大野由美子ディレクター
「番組は1時間15分ですが、この中で20種類のうどんをいろんな手法で見せた…というところだと思います」

津野瀬アナ
「では、3月12日に開かれた番組審議会の意見をもとに番組を検証していきます」
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番組審議会「うどんMAPは今やTNCの看板番組のひとつになった感もあり、その全国版として制作された今回の番組はテンポがよく一気にみることができとても面白いものだった。うどんは高級なものでなく、番組は見て「いいな」と思ったら誰でも食べに行けるもので、すごく親近感のあることが、この番組の成功だったのでは?とする称賛の声があった一方で、若い人にとっては番組で取り上げた情報の量は良かったと思うが、お年寄りにはちょっとついていけないかもしれない、と感じた。うどんライターの方のコメントをもう少し聞きたかった、などの意見が出されました」

津野瀬アナ
「大野さん、番組審議会の声を聞いて、どんな感想を持ちましたか?」
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大野由美子ディレクター
「想定していたものとは違う意見も多く…そんな見方もあるのか、と非常に参考になりました」

津野瀬アナ
「では審議会の皆さんのご指摘について、今から検証してまいります」

津野瀬アナ
「まず全体的に食材をよく調べてテンポよく紹介し、本当に楽しめる内容だった。うどんは身近な食べ物だけど、色んな切り口で取り上げ、日本国内から海外のうどんまで飽きることなく観ることができた…という意見を頂戴しました。番組の構成で気をつけたことはどういうことでしょうか?」

大野由美子ディレクター
「出てくるものは”うどん”だけなので、飽きさせない方法を考えました。うどんの太さや長さ、見た目…あとはうどんを紹介する方法。似ているうどんの問題やクイズ形式にしたり、辺鄙なところにあるお店にタレントさんと行ったりと色んな工夫をしました」

津野瀬アナ
「今回取り上げたうどんの映像がどれもとても美味しそうに撮影できていた。番組全体も映像がとてもキレイだったという声もいただきました。うどんを撮影する際、気をつけた点はどういったところでしょうか?」

大野由美子ディレクター
「はい、これも飽きさせない工夫のひとつとして取り組みました。うどんの撮影に関しては、C-300という通常のカメラとは異なるカメラを使っています。より写真に近い感じで撮れるカメラです。あとは画角にもこだわって飽きさせない工夫をしました。C-300 というカメラは非常に手間もかかり時間もかかるカメラなんですけど、良さが視聴者の皆さんにも伝わって良かったです」


津野瀬アナ
「バラエティに富んだうどんが紹介されて非常によかったが、せっかくの全国ネット番組なのにもかかわらず、なぜ博多がうどんの発祥地なのかとあまりにも簡単に触れすぎたのではないか?という指摘がありました。この意見はどう思いますか」

大野由美子ディレクター
「やはり福岡の局制作番組なので、福岡のことは前面に出したいという思いはありつつも…ま、あまり福岡に寄り添いすぎても良くないのかな、と思いました。長々と薀蓄を語るよりも美味しそうな映像を出した方が視聴者の皆さんを引きつけることができるのかな、と思ったのであのような構成になりました」

津野瀬アナ
「今回はVTRの時間が長く、ゲストの皆さんにコメントが少なかった。もう少しゲストを絞った方が良かったのではないか、という意見もありました。キャスティングやトークの狙いは何だったのでしょうか」

大野由美子ディレクター
「放送されたのが夕方の時間帯ということもありまして、ゲストも若手というよりも少し落ち着いた大人の方々をキャスティングしました。あとはうどんに詳しいうどんライターの方もキャスティングして情報の厚みを持たせようと思ったんですけども、多少詰め込み過ぎたかな?という印象はあり反省はしています」

津野瀬アナ
「この放送を踏まえ、今後はどんな番組を制作しようと思っていますか」
大野由美子ディレクター
「今回は”うどん”というひとつのものをテーマに1時間ちょっとの番組を放送しました。今回のようにひとつの物をテーマにして、色々な地域の違いを見せる…という手法は全国の皆さんに楽しく観てもらえたのかな、と思っていますので、今後はそういった手法を”福岡県内”に絞って落とし込んだ企画を番組作りに活かしたいと思っています」

この手法はやりすぎると「月曜から夜ふかし」みたいになるので気をつけてもらいたいですなぁ…

津野瀬アナ
「私もこの番組を観ていたらお腹がすきましたので、ぜひ第2段もお願いします(笑)」

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大野由美子ディレクター
「お願いします(笑)」

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まとめは以上です。
月刊TNC批評は思いがけないネタにでくわす事があるので要チェックです。
次回の月刊TNC批評は5月5日(日曜日)あさ6時15分からです。

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書き起こしが面倒なので自分の守備範囲外のネタだったらスルーしますのであしからず。

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